2051年をSFプロトタイピング③

30年後の『ふるえ』
特集記事で未来予想

プロトタイピング協力:矢代真也(SYYS LLC)

『ふるえ』が2051年にも発行されていたら、果たしてどんな記事が生まれるのか、SFプロトタイピングで未来を予想する本コーナー。第3回目のテーマは、スポーツです。テクノロジーの発達はスポーツをどう変えるのか、一方で何が変わらないのか、記事の予告風にSFプロトタイピングしてみました。

「プロアスリートは身体だけでなくアバターを鍛える」 2051年1月発行 Vol.212より

日々のトレーニングに注力するアスリートだが、プロの有名選手ともなるとSNSなどを介してファンとのコミュニケーションも多く、社会的な存在としての役割を果たすことが求められている。しかし、競技に集中するため、SNSでのやり取りに時間をかける余裕がないのも本音だ。そこで一部のアスリートは、アバターAIにSNSでのコミュニケーションを任せている。アバターAIは高精度で、立ち振る舞いや、やり取りのレベルは本人と変わらない。人格や潜在意識もコピーされるので、本人の思想や表に出ない価値観すら反映される。そのため、AIが失言をしないように、アスリート自身の考え方や社会性、抑制力なども健全である必要があるという。アバターAIを使うアスリートたちに話を聞いた。

SNSはアスリートにとっても重要なツールとなっています。しかし、自分のキャラクターをコピーしたアバターAIが、普段は隠していた自分の潜在意識を反映し、思わぬ失言をしてしまうことがあるかもしれません。(編集部)

「サードアイは視聴者に何を伝えるのか」 2051年3月発行 Vol.213より

極小の視覚デバイス「 サードアイ・カム」を装着し、アスリートの目線をほぼそのまま伝送・中継する「 スーパーアスリートビュー」が大人気だ。ヘッドマウントディスプレイと組み合わせると、選手になったような視界でスポーツ中継を楽しめる。デバイス装着による身体的な負担はないが、一部のアスリートからは、他人に視線を盗み見されている不快感が報告されている。一方で、誰かに同じ視点で見てもらっていることで勇気をもらい思い切りが良くなるなど、プラスに考える選手も多い。一人称のスポーツ中継がパフォーマンスにどう影響するのか、アスリートたちのさまざまな意見をまとめた。

現代でもアスリートの心拍などを画面に表示する中継があります。カメラやセンシングデバイスの進化で、選手の心の情報までが中継できるようになってくると、スポーツ中継の倫理について、メディアも検討することになりそうです(編集部)

「都市とつながるスポーツ」 2051年5月発行 Vol.214より

セキュリティの観点から公共のゴミ箱が消え、20世紀から続く悪習「 ポイ捨て」が悪化しつつある。そんな中、都市とスポーツを組み合わせ、ゴミ拾いをスコアリングしてスポーツ化するスタートアップが登場し、話題となっている。ARシステムでスキャンし、ポイ捨てされたと認識されたゴミを指定の位置まで運べばOK。紙くずやペットボトルから不法投棄の自転車まで、設定されたポイントが与えられ、貢献度を計測する。プレーヤーの多くは20代の若者たち。単に楽しいだけではなく、視点を変えて街を走り抜けると、身体と都市との新しいつながりを感じ、都市に対する再発見があるのが魅力だという。実際に編集部も、深夜の繁華街で挑戦してみた。

都市での生活では身体を動かす機会が少なく、ジムや公園に行かないとスポーツができません。一方で、自分が住む都市を再発見するきっかけにもなるこんな競技は、新しいスポーツのあり方を示しているのかもしれません。(編集部)


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