私達のコミュニケーションは、スマホでメールをしたり、電話で話すことがほとんどですが、これからは、触れることで、いろいろなことを伝えられるようになります。あたかも、色で絵を描くように、音で音楽を作るように、触感を組み合わせて、今までにない感覚を伝えることができるかもしれません。
今回の展示では、大学の触覚研究者やアーティスト、デザイナーと協働して、振動で伝える触感について考えてみました。落ち着く触感、びっくりする触感、気持ち良い触感など、“振動触感”の未来をぜひ、体験ください。
今回の展示では、大学の触覚研究者やアーティスト、デザイナーと協働して、振動で伝える触感について考えてみました。落ち着く触感、びっくりする触感、気持ち良い触感など、“振動触感”の未来をぜひ、体験ください。
1 触感飲料(招待展示)
電気通信大学 梶本裕之研究室(梶本裕之+蜂須拓+池野早紀子)
電気通信大学 梶本裕之研究室(梶本裕之+蜂須拓+池野早紀子)
ボトルから飲料を注いだ際の振動を記録、モデリング、再生しています。これによってまるで無限に飲料を注ぎ続けるような感覚を体験できます。
粘性の異なる液体のモデリング等も行い、飲料に対する印象(ドロドロ、サラサラ)を、修飾、演出することができます。本物のボトルに本装置を装着することも可能です。
粘性の異なる液体のモデリング等も行い、飲料に対する印象(ドロドロ、サラサラ)を、修飾、演出することができます。本物のボトルに本装置を装着することも可能です。
研究室紹介
触覚を中心とした人間の錯覚現象の解明と、そこから着想を得た感覚提示技術と、それに基づいたコミュニケーション、エンタテインメント、医療福祉等の応用展開を行っています。視聴覚に続いて今後広く普及すると考えられる触覚デバイスを、我々が日常的に利用する姿を示したいと考えています。
触覚を中心とした人間の錯覚現象の解明と、そこから着想を得た感覚提示技術と、それに基づいたコミュニケーション、エンタテインメント、医療福祉等の応用展開を行っています。視聴覚に続いて今後広く普及すると考えられる触覚デバイスを、我々が日常的に利用する姿を示したいと考えています。
2BRUSH(招待展示)
慶応義塾大学 筧康明研究室(筧康明+小林颯)
慶応義塾大学 筧康明研究室(筧康明+小林颯)
BRUSHは、身近な触感を切り取り、映像と共に体験する作品シリーズの一つです。今回注目する道具は「歯ブラシ」。日常では当たり前に使うが故にその存在を意識することはあまり多くありません。本作品では、さまざまな人の歯磨きを記録し、歯ブラシに宿る個性を触感と映像で追体験します。さらに、歯ブラシ本来の役目から逸れ、掃除、毛づくろい、靴磨きなどさらなる汚れに対峙するブラシの日常も描かれます。
*本作品で用いられるTECHTILE toolkitは、触感表現のプロトタイピングのためのオープンなツールキットで、筧康明、仲谷正史、南澤孝太、三原聡一郎を中心に開発されたものです。
http://www.techtile.org/
研究室紹介
慶應義塾大学筧康明研究室は、2008年に立ち上げ後、物理世界とデジタル技術の結合・融合によるリアルワールドインタラクションのデザインに取り組み、マテリアル、ディスプレイ、空間の研究および表現を行う。近年は人間の能力の開拓・拡張・獲得に向けたH A BI L I TAT IONMEDIAの開発に力を入れる。今回の作品は、筧康明(写真左)と小林颯(写真右)の共同製作。
http://www.xlab.sfc.keio.ac.jp/
慶應義塾大学筧康明研究室は、2008年に立ち上げ後、物理世界とデジタル技術の結合・融合によるリアルワールドインタラクションのデザインに取り組み、マテリアル、ディスプレイ、空間の研究および表現を行う。近年は人間の能力の開拓・拡張・獲得に向けたH A BI L I TAT IONMEDIAの開発に力を入れる。今回の作品は、筧康明(写真左)と小林颯(写真右)の共同製作。
http://www.xlab.sfc.keio.ac.jp/
4心臓ユニット(招待展示)
川口ゆい(ダンサー・振付家)
川口ゆい(ダンサー・振付家)
心臓は生命を維持するために毎日10万回以上拍動していますが、私達は、その鼓動を、緊張した時や怪我をした時など、特別な場合以外、意識することはありません。本作品では自分自身の鼓動を振動スピーカーを通じて、リアルな触り心地とともに、身体外部に感じ取れます。受胎後約21日目から、生命の最後の瞬間まで拍動し続ける、自分の心臓としばし触れ合ってみましょう。
[協力]
坂倉杏介(首都大学東京)、安藤英由樹(大阪大学)、渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
[スーパーバイザー]
石橋義正(映像作家、京都市立芸術大学)
本展示「心臓ユニット」の初期モデル(触れる部分が心臓の形ではなく箱型の装置)は、ワークショップ「心臓ピクニック」で使用さています。「心臓ピクニック」は、同チーム(川口、渡邊、坂倉、安藤)によって、2010年から断続的に日本各地で開催され、これまでに多くの人が、鼓動に触れ、自分や他人の生命を再認識するという体験をしました。
また、この「心臓ピクニック」は、2014年6月から2015年2月にかけて、心音を通じて人と人をつなぐプロジェクト「スマート光ハートビートプロジェクトsupported by NTT西日本」においても実施され、そこからの着想により、NTT西日本によって新しいサービス「Heart Beat Memory」*が開発されました。
Heart Beat Memory
西日本電信電話株式会社
「Heart Beat Memory」は、NTT西日本が開発した、心音を活用した新しいコミュニケーションのカタチを提案するサービスです。“心音”つまり、わくわくドキドキを、人生の様々なライフイベントの中で記録し、アクセサリーを通じて体感、身近な人同士で共有することができます。
川口ゆい
幼少より踊り始め、現在はベルリンをベースに、様々な国際フェスティバルにて作品を発表。世界27 カ国で30 万人以上を動員している"Red Bull FlyingBach"(エコークラシック特別賞受賞)のオリジナルキャストで、女性パートの振付も担当している。2014 年に発表された映像作家・石橋義正との「MatchAtria」では、観客全員に「心臓ユニット」を配り、自らの心音を観客の手元に送りながら、3D 映像とバイノーラルサウンドを絡めたパフォーマンスを展開。作品は現在ヨーロッパ各地をツアー中。
幼少より踊り始め、現在はベルリンをベースに、様々な国際フェスティバルにて作品を発表。世界27 カ国で30 万人以上を動員している"Red Bull FlyingBach"(エコークラシック特別賞受賞)のオリジナルキャストで、女性パートの振付も担当している。2014 年に発表された映像作家・石橋義正との「MatchAtria」では、観客全員に「心臓ユニット」を配り、自らの心音を観客の手元に送りながら、3D 映像とバイノーラルサウンドを絡めたパフォーマンスを展開。作品は現在ヨーロッパ各地をツアー中。
5顔感音響 振動ローション「おかをゆらし」 (招待展示)
鈴木理絵子((株)ファセテラピー)+鈴木泰博 (名古屋大学)
鈴木理絵子((株)ファセテラピー)+鈴木泰博 (名古屋大学)
あなたのお肌ゆらします。 エステサロンのマッサージを、いったん”触譜”(触覚のための譜面)に”採譜”し、振動触覚に変換した、まさに“振動のローション”。 映像も同じ触譜からつくられたもの。 ありそうでなかった「映像+触覚」の世界もお楽しみください。
本展示は、科学研究費補助金基盤C(15K00268)の助成を受けています。
鈴木理絵子
独自のハンドマッサージ方法を確立、1994年よりファセテラピーサロン・スクールを展開。”触覚デザイン”の分野を開拓。ファセテラピーメソッド(春秋社, 2014)など美容や触覚デザイン?感覚言語に関する研究・著書多数。 (株)ファセテラピーサロン・スクール代表。
独自のハンドマッサージ方法を確立、1994年よりファセテラピーサロン・スクールを展開。”触覚デザイン”の分野を開拓。ファセテラピーメソッド(春秋社, 2014)など美容や触覚デザイン?感覚言語に関する研究・著書多数。 (株)ファセテラピーサロン・スクール代表。
鈴木泰博
自然をアルゴリズム(手順)として理解する自然計算の研究に従事. 羊の群れを“誘う(いざなう)”ように自然やヒトと協調しつつ誘導する「ハーネス」の概念を提案。<自然計算+美=計算美学>の立場から「(映像・音響)+触覚」の表現を展開している。名古屋大学 情報文化学部 准教授。
自然をアルゴリズム(手順)として理解する自然計算の研究に従事. 羊の群れを“誘う(いざなう)”ように自然やヒトと協調しつつ誘導する「ハーネス」の概念を提案。<自然計算+美=計算美学>の立場から「(映像・音響)+触覚」の表現を展開している。名古屋大学 情報文化学部 准教授。