- ● ユートピア
トマス・モア(訳:沢田昭夫)/中公文庫(1993)
「ユートピア」とは、本書で描かれた理想の国の名前で、“どこにもない”という意味である。本書でのユートピアは、現代人が思う「自由で豊かな理想郷」ではなく、合理的で管理された社会として描かれている。
- ● 未来を築くデザインの思想 ―ポスト人間中心デザインへ向けて読むべき24のテキスト
ヘレン・アームストロング 編著(監訳:久保田晃弘、訳:村上彩)/ BNN 新社(2016)
技術革新によって社会へ大きな影響を与えた科学者やデザイナーなど24人のテキストを集めた論考集。
- ● デモクラティア(ビッグコミックス)
間瀬元朗/小学館(2013~)
インターネットの世論、つまり、ある種の集合知によって制御されたヒューマノイド“ヒトガタ”が暴走し、それを止めようとする主人公を描いたサスペンスコミック。
- ● 愛するということ —「自分」を、そして「われわれ」を
ベルナール・スティグレール(訳:ガブリエル・メランベルジェ、メランベルジェ眞紀)/新評論(2007)
大量生産・大量消費の社会は、人間の欲望を搾取することによって成り立っている。しかし、それは人を画一化し、人間としての精神的貧困につながる。では、そこで私たちは何ができるだろうか。
- ● なぜ日本は変われないのか —日本型民主主義の構造(新編集書)
山本七平/さくら舎(2011)
「日本には組織(システム)という概念がない」という。日本の社会や政治システムの特性について、戦時等の実際の例を挙げ論じている。
- ● 責任という虚構
小坂井敏晶/東京大学出版会(2008)
私たちは自由で主体的な存在であり、自己の行為に対して責任を負う、という考えは近代社会の基礎であるが、それは自然の因果関係の枠組みでは十分に説明できず、むしろ社会システムが要請するものである。
- ● 法のデザイン —創造性とイノベーションは法によって加速する
水野祐/フィルムアート社(2017)
法は私たちの自由を規制するものと思われがちだが、自発的にそれを設計する視点を持つことで、創造性やイノベーションを加速することができる。リーガル・デザインについて述べた意欲的な著書。
- ● 日本人は何を考えてきたのか —日本の思想1300年を読みなおす
齋藤孝/祥伝社(2016)
日本の思想の流れを“ざっくり”辿る。現代日本に生きる私たちが、礼賛でも自虐でもない日本に対する考え方を持つことを目指した一冊。
- ● ウェルビーイングの設計論 —人がよりよく生きるための情報技術
ラファエル・A・カルヴォ、ドリアン・ピーターズ(監訳:渡邊淳司、ドミニク・チェン、訳:
木村千里、北川智利、河邉隆寛、横坂拓巳、藤野正寛、村田藍子)/BNN新社(2017)
人間の潜在能力を高め、よりいきいきとした状態(=ウェルビーイング)を実現するテクノロジーの設計について、「マインドフルネス」や「フロー」、「モチベーション」といった人間の心理的な要因から検討するための著書。
- ● 謎床: 思考が発酵する編集術
松岡正剛、ドミニク・チェン/晶文社(2017)
糠床ならぬ「謎床」。答えではなく、問い(謎)をもたらしてくれる人こそ、人間を成長させる師であると。私たちは、情報技術によってどのように謎を育むことができるであろうか。