社会や文化の視点からNTTの先端技術を捉え直す試み
リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC
2年の活動を振り返る
NTTの研究所が取り組むさまざまな研究を、ICCの展示活動の中で展開するプロジェクト「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC」が始まって2年。さまざまな展示がICCにユニークな空間を醸成してきました。ここでは、2年間の歩みを振り返ってみました。
NTTサービスエボリューション研究所の2020エポックメイキングプロジェクトが中心となり、2017年に始まった「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC」は、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]において、未来の人間および社会に関する技術やコンセプトを提案するプロジェクトです。ICC 20周年を機にスタートし、NTTの研究所の技術を利用した展示や企画を継続的に行ってきました。
最初の取り組みは2017年5月、通年の『オープン・スペース 2017 未来の再創造』展で、先進的なプロジェクション技術や触覚技術を利用した展示を行いました。同年10月には、新学術領域研究「多元質感知」と連携した展示『質感の再編集 Transmateriality』、2018年2月には、HAPTICDESIGN PROJECTと連携した展示『距離0から拓くデザインの未来─見る/聴くから“ 触れる”へ』を開催しました。
2018年度も、6月から通年開催の『オープン・スペース 2018 イン・トランジション』展に参加。同年度の試みとして、研究所外のアーティストとの連携作品の制作・展示を行い、新たな一歩を踏み出しました。また、7月には、夏休み子ども向け企画『ICC キッズ・プログラム 2018 さわるのふしぎ、ふれるのみらい』に監修として参加しました。
そして10月には、特別展『“感じる”インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて』の企画構成に協力しました。これは、ICCの最も大きなギャラリースペースを利用した、リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICCが関わる最大のイベントとなりました。
また、展示だけでなく、2017年度は『情報環世界研究会』をICCで定期的に開催しました。その成果は書籍『情報環世界 身体とAIの間であそぶガイドブック』として2019年4月に刊行されます。
最初の取り組みは2017年5月、通年の『オープン・スペース 2017 未来の再創造』展で、先進的なプロジェクション技術や触覚技術を利用した展示を行いました。同年10月には、新学術領域研究「多元質感知」と連携した展示『質感の再編集 Transmateriality』、2018年2月には、HAPTICDESIGN PROJECTと連携した展示『距離0から拓くデザインの未来─見る/聴くから“ 触れる”へ』を開催しました。
2018年度も、6月から通年開催の『オープン・スペース 2018 イン・トランジション』展に参加。同年度の試みとして、研究所外のアーティストとの連携作品の制作・展示を行い、新たな一歩を踏み出しました。また、7月には、夏休み子ども向け企画『ICC キッズ・プログラム 2018 さわるのふしぎ、ふれるのみらい』に監修として参加しました。
そして10月には、特別展『“感じる”インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて』の企画構成に協力しました。これは、ICCの最も大きなギャラリースペースを利用した、リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICCが関わる最大のイベントとなりました。
また、展示だけでなく、2017年度は『情報環世界研究会』をICCで定期的に開催しました。その成果は書籍『情報環世界 身体とAIの間であそぶガイドブック』として2019年4月に刊行されます。
2017年度
オープン・スペース 2017 未来の再創造
(2017年5月27日―2018年3月11日)
(2017年5月27日―2018年3月11日)
ICCが開催する「オープン・スペース」展は、メディア・アート作品を始め、現代のメディア環境における多様な表現を取り上げ、幅広い観客層に向けて紹介する通年の展覧会です。リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICCの最初の取り組みとして、その一角に「変幻灯/変幻スケッチ」「振動電話“ふるえ”」「自分の顔を探せ!」などを展示しました。
情報環世界研究会
(2017年9月―2018年1月)
(2017年9月―2018年1月)
「環世界」とは、生物が固有の知覚世界を持ち、その中で行動していることを指す言葉です。私たちが日々触れるニュースなどの情報も、フィルタリング技術によるコンテンツ制御がなされており、その意味では、情報の世界においても環世界を生きていると言えます。それらの問題をひとつの視点から扱うために「情報環世界」という概念を提唱し、ICCを会場として多様な分野の専門家とともに全10回の研究会を行いました。
研究会の成果をまとめた書籍。テクノロジー、人間科学、芸術表現に基づく、人間・社会の新しいビジョンを提示する。
リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC × 多元質感知
「質感の再編集 Trans-materiality」(2017年10月8日―11月12日)
「オープン・スペース 2017」と連携した展示イベント。本展示では、新学術領域研究「多元質感知」と協働した、質感の再生・編集技術を紹介しました。光投影によって現実世界の「質感の再編集」を行い、ICC20年の歴史の中で使用されてきた展覧会ポスターに新たな表現を加えました。
技術協力:NTTコミュニケーション科学基礎研究所/和歌山大学 システム工学部 天野研究室/東京大学大学院 情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室
リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC × HAPTIC DESIGN PROJECT
「距離0から拓くデザインの未来─見る/聴くから“ 触れる”へ」(2018年2月27日─3月11日)
「オープン・スペース 2017」と連携した展示で、ハプティック・デザインを提唱するHAPTIC DESIGN PROJECTとのコラボレーションイベント。2016年より開催されている「HAPTIC DESIGN AWARD」の入賞作品などを中心とした展示を行いました。
2018年度
オープン・スペース 2018 イン・トランジション
(2018年6月2日―2019年3月10日)
(2018年6月2日―2019年3月10日)
前年度に引き続き2018年度の「オープン・スペース」展にも参加しました。前回のコンセプトを拡充・強化し、研究所外のアーティストとのコラボレーション作品も展示しました。また、研究成果を活かした触感コンテンツ体験装置「触感TV」なども紹介しました。
「触感TV」
制作:NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究協力:慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科Embodied Media Project制作協力:dot by dot Inc.
ICC キッズ・プログラム 2018
「さわるのふしぎ、ふれるのみらい」(2018年7月20日―8月26日)
夏休み恒例イベント、ICC キッズ・プログラムにリサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICCが監修として参加。「ゆびでよむ ぶるぶるえほん」「でこぼこえほん」「オノマトペマップ」といった、実際に作品に触れながら子どもたちの感覚の想像力を広げ、思考や創造を生み出すきっかけとなる場を提供しました。
「ゆびでよむ ぶるぶるえほん」
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 × NTTコミュニケーション科学基礎研究所 × 株式会社フレーベル館 × 凸版印刷株式会社
特別展 OPEN STUDIO リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC
「“感じる” インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて」(2018年10月13日―11月18日)
通信技術の進歩で人同士のコミュニケーションが便利になる一方で、個人の違いによる“伝わらなさ”も存在します。各人の身体や認知の特性、感情の揺らぎといった、伝わらないものの中に現われる個人の本質の捉え方に着目し、共感と多様性をテーマとした「公開実験の場(OPEN STUDIO)」として、「Sports Social View」や「+3人称電話」など、他者との関わり合いや、新しいつながり方を体感する展示を行いました。
「+3人称電話」
NTTサービスエボリューション研究所/Dentsu Lab Tokyo