シンポジウムに登壇したドミニク氏、伊藤氏、そしてファシリテーターの菅原氏と渡邊は、シンポジウム前日に大牟田市動物園を訪問。シンポジウムでも登壇した椎原春一園長の案内で園内を巡り、動物福祉についての理解を深めました。
大牟田市動物園は、大牟田駅から車で5分ほどにある。門をくぐると、“ハズバンダリートレーニング”と書かれた看板が目に入った。「動物たちの健康管理に必要な採血や体重測定といった処置を、私たちは動物たちに協力してもらいながら行っています。麻酔などは使いません。ハズバンダリートレーニングは、そのための訓練です」と椎原園長は説明する。
トレーニング方法はさまざまだが、例えば採血の場合は、最初は指を当てるだけ、次は竹串を当てるといった具合に徐々に刺激を強くして慣れさせていくそうだ。また同時に、刺激を与えられる最中と後に餌がもらえるという条件づけをしていく。
早速、トレーニングがすでに済んでいるという雌ライオンの元へ足を運んだ。近くで見るとかなりの迫力。しかし、獣医師が近づくとライオンは鉄格子のそばまで来ておとなしく横になった。飼育員はおもむろに尾の付け根に注射器の針を刺し、採血をする。
「まったく嫌がりませんね。トレーニングの期間はどれくらいですか?」と伊藤氏が質問。「個体によってバラバラで、2週間くらいでできるようになることもありますよ」とのことだった。
「痛さや恐怖心のレベルを見極めて訓練することが重要なんですね。うちの猫にも応用できるかな(笑)」との感想はドミニク氏だ。
次にキリンの檻で、採血のためのトレーニングの様子を見学。首の血管から採血するとのことだが、ご存じのとおりキリンの首は長い。どうするのかと見ていると、飼育員が左手を挙げながら笛を吹くと、キリンは自ら首を下げて、飼育員に差し出してきた。
最後はツキノワグマ。飼育員の合図で、格子から突き出した筒状の部分に自分で腕を差し入れる。筒の途中にある穴から針を刺して採血を行うわけだ。クマは飼育員の指示に従い、驚くほどスムーズに筒の中に腕を伸ばして処置を受け、一同は思わず感心。
こうした取り組みは欧米を中心に普及し始めているが、国内ではまだまだ少ないそうだ。椎原園長は「動物福祉に関する情報を、さらに多くの人に伝えていきたい」と抱負を語ってくれた。
トレーニング方法はさまざまだが、例えば採血の場合は、最初は指を当てるだけ、次は竹串を当てるといった具合に徐々に刺激を強くして慣れさせていくそうだ。また同時に、刺激を与えられる最中と後に餌がもらえるという条件づけをしていく。
早速、トレーニングがすでに済んでいるという雌ライオンの元へ足を運んだ。近くで見るとかなりの迫力。しかし、獣医師が近づくとライオンは鉄格子のそばまで来ておとなしく横になった。飼育員はおもむろに尾の付け根に注射器の針を刺し、採血をする。
「まったく嫌がりませんね。トレーニングの期間はどれくらいですか?」と伊藤氏が質問。「個体によってバラバラで、2週間くらいでできるようになることもありますよ」とのことだった。
「痛さや恐怖心のレベルを見極めて訓練することが重要なんですね。うちの猫にも応用できるかな(笑)」との感想はドミニク氏だ。
次にキリンの檻で、採血のためのトレーニングの様子を見学。首の血管から採血するとのことだが、ご存じのとおりキリンの首は長い。どうするのかと見ていると、飼育員が左手を挙げながら笛を吹くと、キリンは自ら首を下げて、飼育員に差し出してきた。
最後はツキノワグマ。飼育員の合図で、格子から突き出した筒状の部分に自分で腕を差し入れる。筒の途中にある穴から針を刺して採血を行うわけだ。クマは飼育員の指示に従い、驚くほどスムーズに筒の中に腕を伸ばして処置を受け、一同は思わず感心。
こうした取り組みは欧米を中心に普及し始めているが、国内ではまだまだ少ないそうだ。椎原園長は「動物福祉に関する情報を、さらに多くの人に伝えていきたい」と抱負を語ってくれた。
01/ 園内に掲示された「ハズバンダリートレーニング」に関する説明の看板。
02/ ライオンの尾の付け根から採血を行う様子。トレーニングのおかげでライオンはおとなしいままだ。麻酔や拘束具などを使わないため、動物にも飼育員にも負担が少ない。
03/ 飼育員の合図で自ら首を下げ、採血に応じるキリン。ほかの動物園から移ってきた個体ということもあり、訓練には1年ほど要したそうだ。
04/キリンの柵の前で飼育員の説明に熱心に耳を傾けるドミニク氏と渡邊。
05/ 採血のため、筒状の部分にクマが自ら腕を差し込む。飼育員の安全性も確保できる方法だ。