「公衆触覚伝話」から生まれた“触覚伝送あそび”6選
Vol.26で紹介した、振動を伝える公衆端末「公衆触覚伝話」が東京・初台のICCで開催された「コミュニケーションの再考」展にて展示され、多くの人が新しいコミュニケーション方法に触れました。そこでは、映像と振動を伝えることで自然発生的に始まる新しい“あそび”が数多く生まれています。ここでは、そんな“ 触覚伝送あそび” を紹介します。
「公衆触覚伝話」から生まれた“触覚伝送あそび”6選

企 画:渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所、NTT サービスエボリューション研究所)/ 林阿希子(NTT サービスエボリューション研究所)
制作協力:大脇理智/石川琢也(山口情報芸術センター[YCAM])
南澤孝太/早川裕彦(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
田中由浩(名古屋工業大学)
触覚伝送あそび 1
触感アイスブレイク 触感アイスブレイク

多くの人が公衆触覚伝話を体験するときに最初にする遊びです。ゴルフボールやビー玉、凹凸の付いたマッサージローラーなどを使って、言葉をかけ合う代わりに、お互いに振動を伝え合います。遠隔の相手と触覚がつながっていることを確かめ合う時間です。

触覚伝送あそび 2
触感当てクイズ 触感当てクイズ

ゴルフボールや卓球のボール、発泡スチロールの玉など、質量の異なる3種類のボールをそれぞれ紙コップに入れて中でグルグルと回転させ、触覚を頼りに中身を当てます。また、ビー玉の数を当てるクイズにも挑戦。伝送される振動だけで、重さや数の違いは結構わかるんです。

触覚伝送あそび 3
触感ドローイング 触感ドローイング

相手が置いた紙の位置に手のひらを置いて、手の形に添ってボールペンや鉛筆で線を引いてもらいます。伝わってくる振動と、手の形に添って線が引かれていく視覚効果が相まって、むずがゆい感覚が生まれます。筆記用具の筆感の違いも伝わってきます。

触覚伝送あそび 4
包丁で触感調理 包丁で触感調理

相手に、まな板の上に乗せた野菜などを包丁で切ってもらいます。その振動を感じ取って、何を切っているのか当ててみます。素材によって包丁がまな板に当たるときの振動が異なり、例えば、大根とキュウリの違いなどもわかります。野菜以外のものを切るときの感触も面白いです。

触覚伝送あそび 5
触感トランプ 触感トランプ

トランプを使ったゲームでは、カードを置くときの振動やカードを切るときの振動など、実際に同じテーブルで遊ぶときよりも、触感が強調されて伝わってきます。ゲームに夢中になると、遠隔でプレーしている感覚がだんだんなくなってきます。

触覚伝送あそび 6
触感箱庭でママゴト 触感箱庭でママゴト

オモチャや指を使って、子供とママゴトで遊ぶように手遊びをします。目の前のパーソナルスペースで相手からの振動を感じながらやり取りをしていると、一緒の空間を共有している感覚が強まります。この遊びは、触覚伝送による空間の共有の特徴がよく表れています。


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