REPORT 触覚ハッカソン2015
触覚技術を使ったハッカソンイベント「ショッカソン」2015を開催。 抱きつくクマ、触れる星座、頭を撫でてくれるヘルメットなど、 13テーマのプロトタイプを発表。

  10月3日(土)~10月4日(日)、触覚技術を用いたハッカソンイベント、「ショッカソン(Shock-a-thon:触覚ハッカソン)」2015が開催された(株式会社スパイスボックス/富士ゼロックス株式会社/一般社団法人T.M.C.Nによる共催)。「ショッカソン」の開催は昨年に続き2回目となる。
  「ショッカソン」は、富士ゼロックスが開発した「触覚マウス」をはじめ、小型超音波集束装置などの触覚デバイス、Bluetooth無線機器や各種センサーを搭載したプロトタイプツールなど、十数種類の最先端触覚技術を活用するアイデアをみんなで出し合い、新しい製品やサービスのプロトタイプを開発するハッカソンイベント。
  9月23日に実施されたアイデアソン(アイデアの出し合い)では、100名以上が参加し、300個以上のアイデアを提案。さらにアイディアを13テーマに絞り、10月3日、4日にハッカソン(開発)を実施した。
  4日には、全チームが制作物のデモ、プレゼンを行い、審査委員5名と大会委員長(東京工業大学 佐藤誠教授)によって主催者3賞(大賞、触ってすごい賞、触ってHappy賞)が決定された。大賞はチーム「触っちゃダメゼッタイ!」による三部作(「ピンポンダッシュ スクリーマーズ」「触っちゃダメ Glass BOX」「誰かいるDoor」)、触ってすごい賞はチーム「ハフミ」の「モフミ」、触ってHappy賞はチーム「オリオンをなぞる!!」の「オリオンの憂鬱」であった。
  イベントを担当したやまざきはるき氏(スパイスボックス)は、「大賞受賞作のような触覚を使ったインターフェイスや遠隔コミュニケーションをテーマにしたものなど、触覚技術が暮らしの中に溶け込んだ時の姿を提示できたことが、今回のイベントの大きな収穫となりました。」と語った。

審査員:南澤孝太氏(慶應義塾大学)、落合陽一氏(メディアアーティスト、筑波大学) 、市原えつこ氏(アーティスト) 、多田羅理予氏(「MakersHub」プロデューサー)、渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

大賞 誰かいるDOOR

チーム「触っちゃダメ ゼッタイ!」

誰かいるDOOR

ドアの向こうに誰かいる—。ドアノブを掴んだ瞬間、ドアの向こう側に人がいてガチャガチャとしてくるような感触が伝わってくるドアです。「人がいる、いつもと違う、思っていたのと違う」というキモチワルイ感覚を与えることで、触りたくない・近寄りたくないという感情を呼び起こします。STAFF ONLYなど通常、人に入って欲しくないドアに利用します。

触ってすごい賞 モフミ

チーム「ハフミ」

モフミ

かわいくて撫でずにはいられない謎のいきもの、モフミ。しかしモフミには撫でられ感知センサーがついており撫でられた感触は遠隔地にいるオジサンの頭に伝わるのだった…。VRで女の子に撫でられるアニメーションを組み合わせることによって没入感を演出しました。

「触覚業界として、ただデモを見せる、技術を見せるだけじゃなく、これからもう少し生活の中で触覚関連の技術が溶け込んで使われていくようにしたいということがあり、生活の中の一部になるという意味で、今回のチーム「触っちゃダメゼッタイ」の作品は触覚技術の1つの未来を示すものになるんじゃないかということで大賞に選出しました」(審査員渡邊のコメント)

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