14号に寄せて

NTT技術ジャーナルに封入される触感コンテンツ専門誌“ふるえ”も14号を迎えました。今号では、ライヴ(=リアルタイム、生放送、生の体験)をテーマとして3つの話題を取り上げました。(1)NTTコミュニケーション科学基礎研究所の杉山弘晃さんには、ロボットを使ってリアルタイムで雑談対話(非タスク型対話)を実現する仕組みについて紹介いただき、(2)株式会社ドワンゴの岩城進之助さんには、ニコニコ動画をはじめとする対話型の生放送について、実際にサービスに携わった経験に基づきお話をいただき、(3)立命館大学の飯田豊さんには、生の体験、通信、ネットワークについてメディア論の視点からの議論をいただきました。私たち人間にとってライヴであることが、なぜ価値を持つのでしょうか。それを理解する端緒になれば幸いです。

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REPORT

「NTT docomo FUTURE-EXPERIMENT Vol. 01 距離をなくせ。」レポート 2017.11.08 9:00PM

 Perfume のメンバーが東京、ロンドン、ニューヨークの3都市に分かれ、別々のステージで新曲のパフォーマンスを行いました。大容量・低遅延の次世代無線通信規格5G(NTTドコモ)、通信遅延を補正するメディア同期技術*1 (NTT研究所)を使って映像が完全に同期され、リアルタイムの映像演出が行われることで、あたかも3人が一つの場所でそろって演じているかのようなパフォーマンスがライヴ配信されました(パフォーマンスのアーカイブや技術説明はオフィシャルサイト*2 にて見ることができます)。情報を伝えるには時間がかかります。ロンドンやニューヨークから東京まで映像を送ろうとするならば、光の伝送や映像の処理などに時間がかかり、東京では数百ms ~数秒過去のロンドン/ニューヨークの映像を見ることになります。それに、光の伝送は経路によってかかる時間が異なり、同じ経路でも遅延が変化したり、どこかで情報がなくなることもあります。このような困難の中、多地点からの情報を、タイミングをきちんと同期して統合するNTTの技術(Advanced MMT)や、ほとんど遅れなしに無線通信が可能な5Gが活用されました。
[*1 ] イマーシブ・テレプレゼンス技術「Kirari!」の中核技術である超高臨場感メディア同期技術「Advanced MMT」。
[*2 ]https://www.nttdocomo.co.jp/special_contents/future_experiment/


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