本年度『ふるえ』が注目する身体と社会を結ぶ触覚関連技術

「ソーシャルハプティクス」について

   2019年度の触感コンテンツ専門誌『ふるえ』は、1年を通して「身体と社会を結ぶ触覚関連技術:Social Haptics」をテーマに、従来どおり隔月でお届けする予定です。触れて感じる感覚や身体で感じる感覚に関する研究分野をハプティクス(Haptics)と言いますが、『ふるえ』が創刊した2015年当時に比べて、最近はハプティクスという言葉を多く耳にするようになりました。そして、今年の7月9日~12日、ハプティクス分野で最大の国際会議であるワールド・ハプティクスが東京で開催されます。この分野の盛り上がりをヒシヒシと感じます。
  さて、今年はテクノロジー分野の大きな動きとして、5G(第5世代移動通信システム)のプレサービスが始まります。5Gの特徴のうちで「低遅延、多接続」は、ハプティクスに非常に大きな可能性をもたらします。今まで、主に近くの一対一の関係の中で送られてきた触/身体感覚情報が、ネットワークを介して遠くの人へリアルタイムに伝えられたり、同時に多人数に送られるようになるのです。例えば、スタジアムのライブ。触覚付きの演出に加え、遠隔のライブビューイング会場にスタジアムで生じる振動情報を伝え、スタジアムとの連帯感や会場の一体感を醸成することも可能になります。もちろん、このような大人数だけでなく、空間的に離れた家族や地域コミュニティの集まり、会社での人間関係など、さまざまな場に対してハプティクスが貢献する可能性も広がります。
  つまり、これからのハプティクスとは、単純に目の前の人に触れた感覚を提示するだけでなく、それが空間的に離れた人同士だったり、群衆というようなたくさんの人同士をもつなげる、ひとつの方法論であるということです。これを本誌では「身体と社会を結ぶ触覚関連技術:Social Haptics」として取り上げていきたいと思います。特に本号では、その基盤となる“ 触覚で感じる” こと(認識するではなく)、その本質的な働きについてインタビュー、考察します。

『ふるえ』編集長 渡邊淳司


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