世界の触覚技術と知識が集結したハプティクスの祭典

IEEE
World Haptics
Conference 2019

2019/07/09 -12 御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
2年に1度開催される触覚の国際会議「World Haptics Conference」。8回目を数える今回は、7月9日から12日までの4日間、東京で開催されました。予想を上回る参加者が集まったWorld Haptics Conference 2019をレポートします。

触覚の未来に各企業が注目
参加数は過去最多を記録

2007年の第2回開催以来、2度目の日本開催となった「World HapticsConference 2019(以下、WHC2019)」は、研究者、学生、企業など、世界中から700人を超える参加者が集まりました。これまで400~500人だった参加者が、今回飛躍的に増えた要因について、チェアマンのひとり、梶本裕之氏(電気通信大学教授)は、「まず、日本は触覚研究者が多いことが挙げられます。また、VRブームなども追い風となり、企業間でも” 触覚がそろそろ来そうだ”という雰囲気もあったのではないでしょうか」と分析しました。参加数は過去最多を記録 2007年の第2回開催以来、2度目の日本開催となった「World HapticsConference 2019(以下、WHC2019)」は、研究者、学生、企業など、世界中から700人を超える参加者が集まりました。これまで400~500人だった参加者が、今回飛躍的に増えた要因について、チェアマンのひとり、梶本裕之氏(電気通信大学教授)は、「まず、日本は触覚研究者が多いことが挙げられます。また、VR ブームなども追い風となり、企業間でも” 触覚がそろそろ来そうだ”という雰囲気もあったのではないでしょうか」と分析しました。

ハプティクス系の老舗やスタートアップに加え、ソニーやアップル、資生堂など、一般的によく知られる企業も出展しており、触覚技術への注目度の高さがうかがえました。

メインホールではステージ上で口頭発表が行われた。ステージ周辺には発表された内容のブースが設けられ、発表後により詳しいプレゼンを聞くことができた。

「Work in progress」と呼ばれる研究開発途上のポスター発表のコーナーも盛況。人々が行き交い、熱心な議論が交わされていた。

圧倒的な情報量で
触覚の今を巡る4日間

WHC2019では、口頭発表やポスター発表などの「研究発表」と、実際に体験できる「デモンストレーション」を軸に、ワークショップなどの参加者が交流できるプログラムも組まれています。ブースやポスターの前には常に人々があふれ、あらゆる場所で議論が飛び交い、会場は活気にあふれていました。ちなみに、今回発表を行った著者の所属機関で最も多かったのが、Facebook だったことも話題となりました。ちなみに次点は、東京大学でした。

メインホールでは、午前中に口頭発表、午後はホール内のブースに分かれてのプレゼンテーションが実施されました。一方、デモンストレーションは、研究者のハンズオンデモと企業による製品デモがあり、いずれも列ができるほどの人気。さらに、新しい試みとして、アカデミックな研究とは別に、「デザインショーケース」の展示スペースも設けられ、より開かれた会議を印象付けていました。ハプティクスの「今」を知ることで、これから訪れる未来を予見させる4日間となりました。

指先にも巻ける触覚デバイス「HAPTIC PLASTeR」。 薄く柔らかい素材は、日常生活に導入しやすい。

柔らかさを伝達する力触覚デバイス。会場にはグ ローブ型デバイスが目立った。

触覚を記録、再現 するTECHTILE toolkit のワイヤレス版「Wireless Haptic Sharing Kit for Multiuser」。複数の装置 に同時に触覚を伝送できる。

デザインショーケース には、「Haptic Design Award」のブースも。受賞作品 の展示が行われた。

株式会社タイカのゲル状素 材αGELを触感で分類した「HAPTICS OF WONDER 12触αGEL 見本帖」。


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