スポーツ観戦の再創造展
スポーツが備えるさまざまな側面を捉え直し、それをどう伝えるか、再創造を試みる実験展示「スポーツ観戦の再創造展」が、日本科学未来館で開催された。ここでは、テクノロジーやアート、デザインを駆使してスポーツの持つ本質を探り、新しいスポーツ観戦のかたちを提案する展示と、ゲストを招いて開催されたカンファレンスを紹介する。

観戦概念の再創造

「Swarm 動作・通信制御技術」により、ディスプレイを搭載した走行ロボットをコントロールして映像を制御。Akiko Nakayama氏とEiWada氏のパフォーマンスに合わせて、空間全体に広がる映像表現でスポーツ観戦を実現する。

多感覚観戦の再創造

スポーツ観戦に触覚情報を加えたり、スポーツの中継を触覚情報に変換したりすることで、視覚・聴覚に頼っていたスポーツ観戦を再創造する試み。暗闇の中で手を置いたテーブルの振動で観戦するテニスや、手に持ったラグビーボール状のエアクッションが振動することで中継を盛り上げるラグビー、布の引っ張り合いで柔道を翻訳して視覚障がい者に伝える体験会も開催された。

視覚観戦/聴覚観戦の再創造

超高臨場感を実現する「Kirari!」を応用したライブビューイングが展示された。試合中の選手をリアルタイムに切り抜く「被写体抽出技術」、背景や音響含めた空間を同期転送する「Advanced MMT技術」でバドミントンの競技空間を転送し立体表示する試み、横幅12Kを超えるワイド映像をリアルタイムに合成する「サラウンド映像合成技術」を用いたテニスやサッカー観戦、「波面合成音響技術」を使ってゴールボールの音場を再現する展示などが行われた。

視覚観戦/聴覚観戦の再創造

ゲストを招いてのカンファレンスも開催された。ホースト氏はアートの文脈、菅野氏はクリエイティブの観点、伊藤氏は現在のパラスポーツの捉えられ方の再確認と、それぞれの立場から意見と2020年に向けての目標が、渡邊氏からは、選手の心や観客の視点といった普段見えない“ 現実”をどうやって伝えるかという課題と提案がなされた。


■パネリスト
ホースト・ホートナー(Ars Electronica Futurelab シニアディレクター)
菅野 薫(電通 CDC/ Dentsu Lab Tokyo エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター)
伊藤数子(NPO 法人STAND 代表理事/東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問)
渡邊淳司(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
■ファシリテーター
木下真吾(NTTサービスエボリューション研究所)

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