触覚分野におけるアジア最大のカンファレンス、「AsiaHaptics 2016」が、柏の葉カンファレンスセンターで開催された。今回で2回目となる本学会は、すべての発表が体験型デモである点が特徴。多くの参加者が体験し、語り合う、濃密な場となった。90件のデモの中から金賞を受賞したのは、ヘッドマウントディスプレイの内側5カ所に温冷刺激を提示し、温かな(もしくは、冷たい)風が吹いたような感覚を顔全体に作り出す「A novel multimodal tactile module that can provide vibro-thermal feedback 」(慶應義塾大学、奈良女子大学、アルプス電気の共同研究)であった。参加していた柴原舞さん(奈良女子大学大学院生で別の研究の発表者)に会場の印象を伺うと「近年の触覚提示技術は、手のひらだけでなく、足や顔へといった提示部位の広がりや、振動や圧、視覚とあわせた疑似力覚、さらに、風で湿り気を感じてしまうものなど、
その感覚や提示法にも広がりを感じる」とのことであった。
金賞を獲得したデバイスの内側。金色に見えるところが、温冷刺激のためのペルチェ素子になっている。
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