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世界の子どもたちが言葉の壁を越えて対話できるツールが活躍

第4回 国連を支える世界こども未来会議

2024.03.24 /東京都庁第一庁舎

本年も、各国の子どもたちが集まり、交流しながら未来の平和で豊かな世界について考える「国連を支える世界こども未来会議」が開催されました。昨年に続き、NTTが開発した「わたしたちのウェルビーイングカード」などの、言葉の壁を超えて対話を促すツールがワークの中で活用されました。その模様をお届けします。

2024年3月24日、東京都庁大会議場にて「第4回 国連を支える世界こども未来会議」が開催されました。会場には、18カ国、82名の子どもたちが集まり、12グループに分かれて「平和」もしくは、「気候変動」の課題を解決するためのアイデアをグループごとにまとめました。

まず、会議を始める前に、自分や同じグループの人の鼓動を手の上の触感として感じる「心臓ピクニック」を体験しました。グループ内でお互いの鼓動を体感し、命を感じ合い、尊重する気持ちを持って議論を進める準備をすることが目的です。

次に「わたしたちのウェルビーイングカード」を使って、お互いのウェルビーイングを共有しました。「挑戦」「信頼」「思いやり」など、ウェルビーイングの要因が書かれたカードの中から自分のウェルビーイングに大切なものを2枚選び、自分の大切にしていることを話して自己紹介をしました(写真1)。

今回は新たに、NTTの研究所が作成した、言葉にならない感情を表現するきっかけとなるカードも導入されました(写真2)。これはさまざまな感情を表すイラストが描かれたカードで、言葉にならない自分の思いを言語の違いや表現の壁を越えてやり取りできます。グループ内の自己紹介を聞いて、感想を言う代わりにカードを見せる子もいました。

自己紹介のあとはグループ内で、「わたしたちのウェルビーイングカード」に書かれた要因を参考にしながら、半分のグループは「平和」について、残りの半分のグループは「気候変動」について、課題を解決するためのアイデアを考えました。子どもたちはカードの要因を示しながら自分たちのアイデアや意見を出し合いました。カードを介することで相手の考えを理解しやすくなり、お互いの意見を尊重することにもカードがひと役買っていました。

その後、各グループは、イラストなどを織り交ぜながら1枚の大きなシートにアイデアをまとめ、壇上で発表を行いました(写真3)。子どもたちの発表では、まずは近くにいる人へ感謝を示すための「感謝カード」を導入することや、スマートフォンを活用して国と国の争いを防ぐ仕組み、移動方法を見直すことで代替エネルギーの利用を増やして温暖化を防ぐルール作りなど、多彩なアイデアが飛び出しました。社会課題に対する子どもたちの積極的な姿勢が印象に残った会議となりました。

[写真1] 参加した子どもたちは、「わたしたちのウェルビーイングカード」を使って、お互いの価値観を共有しながら自己紹介をしました。

[写真2] さまざまな感情を表すイラストが描かれたカードも用意。子どもたちは、これらのカードを使って言葉にしづらい複雑な気持ちを表現し、相手に伝えました。

[写真3] 初めて出会う各国の子どもたちが、ツールを介したコミュニケーションですぐにチームとなり、お互いを尊重しながら、自分たちのアイデアをまとめました。


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