ハプティックラボ探検隊 [探検先]三鷹天命反転住宅
床が波打つカラフルな集合住宅が住人にも地域にも活力を与える
「三鷹天命反転住宅」は、美術家であり建築家である荒川修作+マドリン・ギンズによる一風変わった賃貸集合住宅。同東京事務所の本間桃世さんに、住む人の天命を反転させる活力を生む住宅を案内してもらいました。
http://www.rdloftsmitaka.com

—天命反転ってインパクトのある言葉ですね。

本間:三鷹天命反転住宅には「イン メモリー オブ ヘレン ケラー」という副題があります。住む人が自分の身体に合わせた使い方をすることで、ヘレン・ケラーのように運命を反転させる可能性があるということで「死なないための家」を謳っています。

—部屋の床が波打っていて、意表を突かれました。

本間:従来の住居のルールに縛られず、人の身体を中心に環境を設定してみようという考え方で作られています。初めて訪れる人には素足になることをオススメしてます。床の凹凸がちょうど土踏まずになじむんですよ。

—なるほど、歩いてみると気持ちいいですね。中も外もカラフルですが、不思議と派手さを感じません。

本間:たくさんの色が一度に目に入ってくるので、ひとつひとつが目立たないんです。実際、自然の中でも住宅街でもさまざまな色があって、混在しています。

—色以外にも、普通の住居とは違うところが各所にありますね。床も壁も丸い部屋とか、ドアがないトイレとか、床の高さも場所によって違います。

本間:この建物は、日常生活の中で、できるだけ身体を動かすことを促すようになっているんです。

—外観的には、周辺住民の反応が気になりますが。

本間:「面白い」と、皆さん好意的でした。近所の昔ながらのパン屋さんは、部屋を模したカラフルで凸凹した形の「天命反転パン」という商品を作ってくれて、荒川もとても喜んでいました。建物によって近隣が変わっていくというのは、荒川が考えるコミュニティの理想なんです。

—住人以外の人が中を見ることはできますか?

本間:3泊からのショートステイプログラムがあります。実際に「暮らす」という体験を通して、この部屋に埋め込まれたさまざまな可能性に気付いていただければと思ってます。見学会もやっていますよ。意外に思うかもしれませんが、年配の方に大好評です!


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