触覚の開発イベント「ショッカソン」。開催4回目を迎える今年も、「新しい触覚体験の創造」をテーマに、10チームが競い合いました。さまざまな触覚デバイスを駆使し、限られた時間の中でアイデアをカタチにするというスリリングな現場からのリポートです。
触覚ハッカーたちの熱い2日間
触覚をハックするイベント「ショッカソン」が、去る8月26~27日の2日間にわたって開催されました。毎回何が飛び出すかわからない本イベント、審査員から「審査では、服を脱がされ、ビリビリさせられ、何か飲まされて変な汗かきました」と声が上がる中、今年も斜め上をいく発想の作品の数々が生まれました。すぐにでも製品化できそうと評価された「ビビっとくる名刺」や、触覚を頼りに2人1組でプレイする「触覚神経衰弱」といったブルブル系触覚作品のほか、離れた人の肩を揉む「遠隔肩もみ」や、酔った気分を味わえる「NonR(ノンアール)」といった、VRゴーグルを使用した作品が多かったのも今年の特徴と言えます。
また、最後の講評で「4年目ということで、短期間で完成度の高いものがきちんと出てくるようになった。社会人の参加や、協賛者が参加者になるなど触覚コミュニティが成熟して来たと感じる」と語られたことも印象に残りました。そんな触覚コミュニティのこれからを占う上でも、目が離せないショッカソンの受賞作品3つを以下に紹介します。
女の子にお腹に文字を書いてもらうVRコンテンツを拡張した、次世代コミュニケーションツール。送信者がタブレットを使って送信したい指文字を描き、小型超音波集束装置で入力した指文字刺激を受信者のお腹に向けてピンポイントでフィードバックする。HMDを被った受信者は、VR空間内で女の子に指文字を描いてもらえる。
選考理由:お腹の触覚という、これまでありそうでなかった感が体験として新しかった。ポテンシャルの高さも評価。
選考理由:お腹の触覚という、これまでありそうでなかった感が体験として新しかった。ポテンシャルの高さも評価。
ストローを媒介としてタピオカを吸引した際の触感を与えるデバイス。画面上に存在するタピオカをタッチすると、タピオカが一度ストローに詰まった後、急速に吸引する感覚が味わえる。
選考理由:2日間という短い時間の中で、まさに「タピオカ」のプロダクトを 作った高い技術力を評価した。
選考理由:2日間という短い時間の中で、まさに「タピオカ」のプロダクトを 作った高い技術力を評価した。
キューピーの頭部に1本だけ残った毛を抜くデバイス。毛が抜ける感覚は、電池用のバネや磁石を使って調整し、最後の1本の毛を抜くことへの背徳感を表現。本チームはほかにも、フェティッシュな作品を制作していた。
選考理由:誰でも思いつきそうなアイデアを、これしかないという形で実装したところがすばらしかった。
選考理由:誰でも思いつきそうなアイデアを、これしかないという形で実装したところがすばらしかった。