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グループ社員2,300名によるパビリオン運営は何を残したのか

万博が生み出したソフトレガシー

「第5回 Beyondカンファレンス2026」NTT共創セッション

大阪・関西万博のNTTパビリオンは、約2,300名のNTTグループ社員を中心に運営され、成功を収めました。「奇跡のパビリオン」とも呼ばれたそのような取り組みが、どうやって実現されたのか。そこでは何が生まれ、何が残されたのか。活動内容と分析について語られたセッションの様子をレポートします。

2026.5.16/虎ノ門ヒルズフォーラム/主催:and Beyond カンパニー

NTTの佐藤 優氏と渡邊淳司 本誌編集長が登壇。NPO法人ETIC.の小泉愛子氏がモデレーターを務めました。

万博のパビリオンをグループ社員で運営する

2026年5月15、16日、社会課題の解決に挑む個人や企業が対話と共創を行うイベント「第5回 Beyondカンファレンス2026」が開催されました。2日目には「NTTパビリオンで実施した2,300名の社員運営は何を試み、何を残したか── 企業経営のソフトレガシー」と題したセッションが行われ、NTTから研究開発マーケティング本部 大阪・関西万博担当の佐藤 優氏と、研究所の渡邊淳司 本誌編集長が登壇しました。

2025年の大阪・関西万博で、NTTグループはコミュニケーションの歴史から最先端技術まで幅広い展示を実施し、「IOWN×Perfume」のライブ体験や、振動まで再現する空間伝送などが大きな話題となりました。

NTTパビリオンでは、ほかにも大きな注目を集めたチャレンジがありました。新入社員から組織長クラスまで、19歳から68歳の約2,300名のNTTグループ社員がパビリオン運営に参加するという、人材育成と組織づくりに関わる取り組みです。20~30名程度のチームが、5日間を1サイクルとして運営を担当し、万博期間中に46サイクルが引き継がれながら実施されました。

この取り組みでは、万博の場で社員が企業の代表として来場者と向き合い、グループを横断する「One NTT」としての意識を育みながら、会社への誇りやエンゲージメントを高めることが期待されていました。実際、参加社員の満足度は5点満点中の4.88点、会社への誇りや貢献意欲に関する項目では99%を超える肯定的回答が得られました。また、ゲート付近でペンライトを用いて来場者を見送る演出など、多くのアイデアが現場から自発的に生まれ、実践されました。中には万博での5日間の体験をAIを駆使してマンガにし、マンガ家デビューした社員も現れました。

こうした創意工夫が生まれた背景について、佐藤氏は、お客様に重大な迷惑をかけるリスクがない限り「まずやってみよう」という姿勢を大切にしたと説明しました(写真)。「奇跡のパビリオン」とも呼ばれた取り組みは、人材育成や組織づくりの観点からも大きな成果を残しました。

セッション後半では、渡邊氏が2024年に策定されたウェルビーイング推進の国際標準であるISO 25554を紹介しました(ふるえVol.56参照)。ISO 25554は、ウェルビーイングについて対話し、実践し、改善を続けるプロセスを可視化するための枠組みです。NTTパビリオンでの「5日×46サイクル」は、まさにこうしたウェルビーイング推進プロセスを体現していると、渡邊氏は述べました。続くセッションでは、NTT社会情報研究所の土屋志高氏による、このISO標準に関するワークショップも行われました。

展示や技術だけでなく、社員の主体性や仕組み、組織の一体感といった「ソフトレガシー」も、万博が残した重要な成果でした。その価値を可視化し、業種や立場を超えて共有する可能性を示したセッションとなりました。

写真

写真 NTTパビリオンの運営について説明する佐藤氏。グループ社員が直接来場者に対応するという仕組みを実現するに当たっては、相当な覚悟を持って取り組んだと語りました。

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