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“つながりのウェルビーイング”を追体験する公衆電話


せかいがきこえる伝話


“DENWA” FOR LISTENING TO THE UNIVERSE

大阪·関西万博 NTTパビリオンには、レトロな電話機を使った「せかいがきこえる伝話」という体験型展示が設置されています。この展示は、パビリオン内の通信·コミュニケーション技術の歴史に関するエリアの展示を体験化したものとも言えます。通信を通して生まれる人と人のつながりの豊かさを、物語を聞くことで追体験する機会を提供しています。

万博会場内にあるレトロな公衆電話が並ぶ一角

大阪・関西万博のNTTパビリオンの屋外スペースには、遠隔触覚コミュニケーションメディア「ふれあう伝話」が設置されています(ふるえVol.58参照)。そして、その隣にレトロなスタイルの電話機が3台並んでいます。これは、体験型の展示「せかいがきこえる伝話」です。

日本で初めて公衆電話が登場したのは1900年のこと。それから125年。公衆電話は、さまざまな人々の声を届ける通信手段であることにとどまらず、人と人の心をつなぎ、さまざまな物語を生み出してきました。「せかいがきこえる伝話」では、そうした"つながりの物語"を、受話器を通して聞くことができます。

体験はとてもシンプルです。黄色と赤色のプッシュ式公衆電話(677-P、678-PN)、もしくは、水色のプッシュ式家庭用電話機(601-P)の受話器を上げ、つながりたい3ケタの番号を押します。すると、その番号に対応する物語の音声が受話器から流れ始めます。例えば、「#408(グッドナイト)」を押せば、恋人同士の寝る前の会話、「#396(春)」では、受験に合格したことを母に報告する声、「#373(裏側)」では地球の裏側に住む少年との国際電話など、用意された10種類のテーマの会話が聞こえてきます。これらの10種類の物語は、親しい人との日常的なつながりだけでなく、異なる国や社会背景を持つ人々との出会いや、自然や生命の誕生といったスケールのものまで、多様な関係性の範囲を扱っています。どの物語も心に残るひとときや、社会や世界に関する気付きを与えてくれる内容となっています。

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製品やサービスをウェルビーイングから捉える

現代の企業は、利益追求だけでなく、製品やサービスを通じた社会や環境への貢献が求められています。NTTはこれまで、電話や通信技術を通じて、人と人をつなぐサービスを行ってきました。しかし、その価値は速くたくさんのデータを送ることだけではありません。人がつながることで生まれる物語や、それに関わる人々のウェルビーイングにも大きな意味があります。「せかいがきこえる伝話」は、そのような"電話"が生み出してきたつながりを、もう一度、人それぞれの大切な物語として"伝えて"くれます。ぜひ、会場にて受話器を手に取り、耳を傾けてみてください。

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大阪・関西万博のNTT パビリオンの屋外スペースの一角に、100円玉が使用できた黄色の卓上型公衆電話や、店舗に設置された委託タイプの赤い公衆電話、水色の家庭用プッシュ式電話機と、昔懐かしい電話機が並んでいます。

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電話機のそばには10種類のストーリーに対応した番号が掲示されています。受話器を取って番号を押すと、受話器から対応する物語が聞こえてきます。各ストーリーには、それぞれ日本語版と英語版が用意されています。

せかいがきこえる伝話ストーリー

「#408 グッドナイト」

「昔ここに電話ボックスがあったなと、覚えている場所があります」
プルル…プルル…
「これは携帯電話がなかった時代の、恋人たちの思い出」

ガチャ

女「もしもし(ひそひそ)」
男「あ、ユウジです。いまひとり?」
女「うん、自分の部屋で子機使ってる」
男「寝る前に、なんか声が聞きたくて」
女「いま家?」
男「いや実は…電話ボックス」
女「え、どこの?」
男「ユキの家の前の公園」
女「ええっ!?」
男「部屋の灯りがここから見える」
女「なんなの(笑)」
男「チカチカッて、やってみて」
女「え、なに?」
男「電気つけたり消したりしてみて」
女「わかった……こう?」
男「おおっ、これでモールス信号できるね。オヤスミのサインとか」
女「ばっかじゃないの?(笑)」
男「なんで? いいじゃん!」
女「そんなの電話で言えよ!(笑)」
男「あ、そうじゃん」
女「ばーか。もう切るからね」
男「あ、おやすみ、ユキ」
女「うん、ユウジもおやすみ」
男「うん、おやすみ」
女「おやすみ。切るね」
男「うん、おやすみ」
女「おやす…」

ガチャ
男「時間切れか。おやすみ」
「恋人たちのことを誰よりも知る存在。それが電話ボックスでした」


企画・制作:NTT社会情報研究所
企画・デザイン・制作協力:株式会社電通
展示実装協力:株式会社D2C ID
機材協力:門司電気通信レトロ館

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